私は人前で話すと緊張して声が震えるタイプなのです・・・
先日、講演会場で司会の方が講師である私のところにご挨拶に来てくださいました。
「今日、司会を担当する〇〇です。 実は私は緊張して声とか震えるタイプなんです。ちゃんと紹介できるか不安ですが・・・ガンバリマスのでよろしくお願いいたします。」
いざ、開演するとやはりその方は緊張されたようで顔は青ざめて、声がビブラートして震えていました。
講師紹介の原稿資料を読む手も震えていらっしゃいました。
講演会では主催団体の役員の方が司会をされることが多いのですが、実はけっこうこういう方がいらっしゃいます。
人前で話すと緊張して声が震える記憶が強化される
人前で話す場になると
「また緊張して声が震えるんじゃないか」
と思い、実際に緊張して、話していて声が震えると
「やっぱり、また緊張した」
と強い印象が何度も記憶され、それは脳の側頭葉に長期記憶として保存されます。
長期記憶が強化されるので、次も人前で話す場面では
「また緊張して声が震えるんじゃないか」
と記憶がよみがえることになります。
そして、徐々に人前で話すことを避けるようになるので、年齢を経ても人前で話す緊張や震えは治らないのです。むしろ強化されることが実験からも分かっています。
あの有名人も人前で話すと緊張している
でも、大勢の前でパフォーマンスをする芸能人もスポーツ選手もそして大企業の経営者も人前では緊張しています。
あの矢沢永吉さんが東北地方のライブでこう言っていました。
「NHKの紅白に初出場した時に、心臓がバクバクして緊張して 頭が真っ白になって何がどうなったか覚えていない」
実際に永ちゃんは紅白の舞台で歌詞を何か所か間違えています。
あれほどのスーパースターでも人前では緊張するのです。
コメディアンの志村けんさんもこう言っています。
「実は気が小さくあがり症なんです。」
さらに芸歴が50年を超えている和田アキコさんの緊張も有名です。
本番前の舞台袖でお水を飲む時には手がブルブルと震えてこぼれるのでマネージャーはコップの半分だけ水を入れるそうです。
アナウンサーの小倉智昭さんも
「小さいころから吃音症で悩んできました。」
と言っています。
また、セブンイレブン創業者の鈴木敏文氏は
「子供の頃はあがり症で人見知り。入社試験は筆記試験合格、面接で不合格」
だったのです。
人前で緊張しながらも良いパフォーマンスができる理由
では、なぜ、これらの一流と呼ばれる人は人前で緊張しながらも良い仕事ができるのんでしょうか?
アガリは2つの原因によって引き起こされることが分かっています。
それは生理的覚醒と認知的不安です。
生理的覚醒とは身体の興奮のこと。具体的には心臓の高鳴りや発汗、身体の震えなど。
認知的不安とは失敗するかもしれないといった否定的な考えのこと。
この2つが重なって人前での緊張やアガリが生まれます。
心理学者ロバート・ヤーキーズとジョン・ドットソンはこの生理的覚醒と認知的不安とパフォーマンスの関係について調べました。
それによると生理的覚醒が中程度の時に最も良いパフォーマンスが生まれ、認知的不安が高まれば高まるほどパフォーマンスが低下することが分かっています。
簡単に言うと次のことが分かるということです。
(1)緊張感が程よくあると結果が良くなりる。
(2)否定的な考えは悪い結果を招く。
想像してください。
これからあなたは東京ドームで5万5千人を前に歌を歌います。
これからあなたはオリンピックの100m決勝のスタートラインにつきます。
これからあなたは大勢の前でスピーチをします。
100人中の99人は緊張するはずです。
しかし、だからこそ、良いパフォーマンスができる、ということです。
緊張しているから普段は発揮されていない力が出て世界記録が生まれ、緊張しているから観客を熱狂させる最高のパフォーマンが生まれ、緊張しているから名スピーチが生まれるということなのです。
人前で緊張して震えるのはエネルギー源である
だから、緊張症やアガリ症の人は「緊張やアガリ、震えを無くしたい」と願っていますが、実はそれがまったく無くなると良い仕事はできません。
だから明石家さんまさんもタモリさんも次のように言うのです。
「緊張しない奴は売れない」
私は講演会の講師をしていますが、実は以前は極度の緊張症、アガリ症、声の震えで悩んでいました。
でも、今は100人の前でも500人の前でも堂々と話ができます。
それは、緊張、心臓の高鳴り、発汗、身体の震え自体は「悪」ではなく、むしろ成功のためのエネルギーだと言うことを理解したからです。
ドキドキや汗や震えはまったく問題なく、それは「宝」です。
悪いのはドキドキや汗や震えではなく、前述した「認知的不安=否定的な考え」なのです。
人前で緊張して震えるのをコントロールして不安を解消するには?
じゃあどうやって「生理的覚醒=ドキドキや汗や震え」をコントロールして、「認知的不安=否定的な考え」を解消すればいいのか?
私自身は次の7つのことを実践して克服してきました。
1.言葉による認知的不安の解消
2.喉を緊張させないボイトレ
3.腹式呼吸
4.表象パターンによる緊張緩和
5.リラックスの条件付け
6.心臓のドキドキをコントロールする
7.身体の使い方によって自信をつける
これらは体感、経験して腑に落として習得するものなので言葉では説明しにくいので養成講座で指導を行っています。
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■累計講演回数が1,000回を超えるビジネス心理学講演会講師の第一人者。
■書籍は「心理マーケティング100の法則」「売れる営業のルール」「小さくはじめる起業の教科書」「人生が大きく変わる話し方100の法則」「どん底からの大逆転」「売上が3倍上がる!販促のコツ48」「売れるキャッチコピーがスラスラ書ける本」「広告宣伝心理術」他多数。(「心理マーケティング100の法則」は韓国、台湾、モンゴルでも翻訳出版されている)
■保有資格はランチェスター経営認定講師、米国NLP心理学協会認定ビジネスマスター、米国NLP心理学協会認定プラクティショナー、米国NLP心理学協会認定コーチ、GCS認定コーチングコーチ、コミュニケーション心理学マスターなど多数。
■講演実績はパナソニック、富士通、ファンケル、山崎製パン、ENEOS、NEC、三井住友海上火災保険、東芝ソリューション、シャープ、キャタピラージャパン、三菱UFJリサーチ&コンサルティング、仙台銀行、第四銀行、新潟県庁、横浜市経済局、日本全国の商工会議所、商工会、連合会、YEG、JC、JCIをはじめとする企業、行政団体、金融機関等で多数。講演依頼も随時受付中。
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