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やっぱりあった!承諾を得るスゴイ方法

説得が上手な広告代理店営業マンのトークとは?

広告代理店に勤めるSさんから電話が来ました。

(S)「酒井さ~ん、こういう企画があるのですがちょっと智恵を貸してもらえませんか?こんなユニークな人たちが集まって、こんな面白い商品を売ろうとしているんですよ。 すっごく面白そうでしょ?」

(私)「それは面白そうだね。私にできることであればいいよ!」

(S)「うわ~。ありがとうございます。助かります。 早速ですが打ち合わせは夜の9時頃から、○○であるんですけど・・・。」

(私)「え~・・・そんなに遅い時間なの。あ、そう・・・。(しかも、○○は遠い場所)」

(S)「うわ~。ありがとうございます。助かります。それでですね。ご相談なのですが実は予算が少なくて・・・。」

彼は説得の仕方が上手です。

これは心理学ではロー・ボール・テクニックと呼ばれる説得話法です。

承諾を得やすいロー・ボール・テクニック

社会心理学者チャルディーニは次のような実験を行っています。 チャルディーニは大学生に実験への協力要請をします。

「朝7時から始める心理学の実験に協力してください。」

学生にとっての朝7時は早起きすぎますよね。 そのためこの要請では31%の学生が承諾したにとどまりました。

しかし、要請の仕方を変えたら承諾率がなんと56%にまで上がりました。さて、どんな要請の仕方だと思いますか?

それは、次のような要請でした。 最初に 「心理学の実験に協力してください。」 と要請します。

それから 「実験は朝7時から始まるので間に合うように来てください。」 と伝えたのです。

このように最初に相手が受け入れやすい情報を伝えて承諾を得て、その後でネガティブな情報を提供するとネガティブな情報も受け入れられやすい、というのがロー・ボール・テクニックです。

ロー・ボール・テクニックとは初めに相手が取りやすいロー・ボール(低い球)を投げて、相手がそれを受け取ってから、厳しいハイ・ボール(厳しい球)を投げるという意味です。

先述のSさんも最初に私が受け取りやすい情報を投げて、私がそれを受け取ってから厳しい条件を伝えてきていますよね。

ということはあなたも商売やビジネスで相手に承諾してほしい時には最初にロー・ボールを投げると良いわけです。

ロー・ボール・テクニックを応用したコピー

例えば、次のようなPOPはどちらが効果的でしょうか?

A:「タブレット50%オフ。 ただし、展示品につきキズあり。」
B:「キズありタブレット50%オフ!!」

最初にロー・ボールを投げるという観点かはAの方が良いコピーと言えます。

また、小売店などで商品購入決定後に

「実は保守費が別途必要になります。」
「アダプターは別売りです。」
「在庫があるのはこのサイズだけとなります。」

と言われるのもこのロー・ボール・テクニックです。

真面目な人ほど最初にハイ・ボールを投げてしまいがちですが、人の心理を考慮すると最初に投げるのはロー・ボールの方が効果的ということを覚えておきましょう。

また、あなた自身がロー・ボール・テクニックによる説得を受けたと分かった時は、「一度購入する意思を表示したのにそれを覆すのは言いづらい・・」と考えずに、冷静に提示された条件を分析・判断し

「保守費が別途なら他のものを探します。」
「では、少し検討する時間をください。」

ときっぱりと対応することが必要です。

▼具体的な行動
相手に承諾してほしい時には最初にロー・ボールを投げてみよう。

→【 関連記事 】影響力を高める心理テクニック

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米国NLP協会認定ビジネスコーチ 酒井とし夫

■累計講演回数が1,000回を超えるビジネス心理学講演会講師の第一人者。 ■書籍は「心理マーケティング100の法則」「売れる営業のルール」「小さくはじめる起業の教科書」「人生が大きく変わる話し方100の法則」「どん底からの大逆転」「売上が3倍上がる!販促のコツ48」「売れるキャッチコピーがスラスラ書ける本」「広告宣伝心理術」他多数。(「心理マーケティング100の法則」は韓国、台湾、モンゴルでも翻訳出版されている) ■保有資格はランチェスター経営認定講師、米国NLP心理学協会認定ビジネスマスター、米国NLP心理学協会認定プラクティショナー、米国NLP心理学協会認定コーチ、GCS認定コーチングコーチ、コミュニケーション心理学マスターなど多数。 ■講演実績はパナソニック、富士通、ファンケル、山崎製パン、ENEOS、NEC、三井住友海上火災保険、東芝ソリューション、シャープ、キャタピラージャパン、三菱UFJリサーチ&コンサルティング、仙台銀行、第四銀行、新潟県庁、横浜市経済局、日本全国の商工会議所、商工会、連合会、YEG、JC、JCIをはじめとする企業、行政団体、金融機関等で多数。講演依頼も随時受付中。

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