「割引してくれるからゲームセンターに行こうよ」は正しい説得である
先日、映画を見終わった時のこと。
ロビーに出てきたときに20代の夫婦とそのお母さんと思われる3人組がいました。
「ねえ、ねえ、映画のチケットの半券を持って行くと隣のゲーセンで割引してくれるからいつも行くんだけどこれから3人で行こうよ。」
とお嫁さんがお母さんを誘っています。
そして、その親子は3人連れ立ってゲームセンターに入って行きました。
このお嫁さんの説得方法は正しいですネ。
なぜなら、人は理由があると行動しやすい生き物だからです。
もし、先のお嫁さんが映画を見終わってから
「ねえ、ねえお母さん、ゲームセンターに行こうよ。」
と言った場合には、もしかしたらお母さんは
「ゲームなんかしたくないよ。買い物に行くよ。」
と答えたかもしれません。
でも、
「映画のチケットの半券を持って行くと隣のゲーセンで割引してくれるから、ゲームセンターに行こうよ。」
と言うと「理由」があるのでお母さんも行動しやすくなります。

「今日は佐藤君に呼ばれたから飲みに行ってくるわ! 」 も正しい説得である
「理由」があると人は動きやすいことはあなたも体験から知っているはずです。
例えば、あなたが「今日は飲みに行きたいなあ」と思ったとします。
その時に奥さんに向かって
「今日は飲みに行ってくるわ!」
と言うのと、
「今日は佐藤君に呼ばれたから、飲みに行ってくるわ!」
では後者の方があなたも言いやすいし、奥さんも承諾しやすいはずです。
「佐藤君に呼ばれたから」というどうでもいいような理由でさえ、行動の正当化の理由になるのです。

「 急いでいるので先にコピーをとらせてもらえませんか? 」 も正しい依頼である
このことを証明した心理学実験があります。 被験者がコピー機の順番待ちの列の先頭へ割り込み、次の3通りの言い方で依頼をします。
(1)要求のみを伝えるパターン
「すみません、5枚なのですが、先にコピーをとらせてもらえませんか?」
(2)本当の理由を付けて伝えるパターン
「すみません、5枚なのですが、急いでいるので先にコピーをとらせてもらえませんか?」
(3)もっともらしい理由を付けて伝えるパターン
「すみません、5枚なのですが、コピーをとらなければいけないので先にコピーをとらせてもらえませんか?」
この実験の結果、
(1)の依頼に対する承諾率は60パーセント。
(2)の依頼に対する承諾率は94パーセント。
(3)の依頼に対する承諾率は93パーセント
驚くのは(3)の承諾率の高さですよね。
「コピーをとらなければいけないので・・・」
というのはそもそも理由になっていません。
つまり、人というのは理由の内容よりも、理由の有る無しで承諾の確率が変わるということ。
そのため、人に何かを頼む時には単に「○○してもらえますか?」と依頼するよりも「○○(理由)なので、○○(依頼)してもらえますか?」と理由と依頼をセットにすると承諾されやすいということになります。
たとえば
「成長期のお子さんにはカルシウムが欠かせません。(理由)毎日朝食に牛乳を!」
「キャンペーン期間中なので(理由)、今週中のご契約をお薦めします。」
「このデザインがお勧めです。なぜならば20代の女性のアンケート調査で第一位だからです。(理由)」
「今なら走行距離が10万キロに達しておらず下取り価格が高くなりますので(理由)、売り時です。」
「今が買い時なので(理由になっていない理由)、ぜひお買い求めください。」
といった伝え方になります。
▼具体的な行動
「この商品はお薦めです。なぜならば・・」「○○という理由でおススメです」というように理由を含めてセールスや交渉を行ないましょう。
→【 関連記事 】やっぱりあった!承諾を得るスゴイ方法
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