■器用な商売人の陥りがちなワナ
運転中にラジオを聴いていたら
パーソナリティが次のように話していました。
「私はアメリカンスクールに通って、
ずっと子役で役者をやっていました。
大学からデザインの勉強をして、
卒業後はフリーのアナウンサーになり、
今は結婚式の司会をしたり、
セミナーの講師をしたり、
サイトに記事の連載もしています。」
それを聞いて私はこう思いました。
「多才ですごいな!」
そして、次の瞬間にこう思いました。
「それって何もモノになっていないということで
器用貧乏じゃね!?」
そんなにあれこれと手を出していたら
持っているパワー(才能、能力、経験、意欲、時間、コスト等)が
分散してしまいますよね。
だって、その人が10のパワーをもっていたとしたら
役者に2のパワー、
デザインに3のパワー、
アナウンサーに1のパワー、
司会に1のパワー、
セミナー講師に2のパワー、
執筆に1のパワー
・・・いった配分になりますもの。
■器用貧乏は経営パワーが分散してしまう
役者の世界にも
デザインの世界にも
アナウンサーの世界にも
司会の世界にも
セミナー講師の世界にも
執筆の世界にも
全力の10のパワーで専心している人がいますから
2や3のパワーでは絶対に勝てません。
(ジャン・コクトーくらいの天才ならOKですネ)
そうなると
単価の高い仕事が来る可能性が低くなり、
いわゆる
「安い仕事」
しかこないので、
さらに
「あれも、これも」
と、やらねばならなくなります。
しかも、
こういう人は紹介のための
口コミが発生しづらくなります。
■商売人は専門特化が基本
保険ならあの人。
リフォームならあの人。
司会ならあの人。
印刷ならあの人。
企画ならあの人。
ワインならあの人。
地元の贈り物ならあの店。
寿司ならあの店。
中華ならあの店。
・・・というように
「○○ならあの人!」
と言われるようになれば
営業も広告も販促もほとんど不要ですが
冒頭のパーソナリティさんのように
「何をやっている人か分からない人」
だとこの口コミや紹介が発生しずらいわけです。
もちろん、
「あの人は何でもできるから相談してご覧」
という紹介のされ方はありますが、
あなたにもお分かりのとおりたいていこの手の紹介は
”安い仕事”が多くなります。
さて、あなたは市場で
「○○ならあの人!」
という認知を受けているでしょうか。
「何でもやってるけど、何をやっているかわからない人」
になっていないでしょうか。
器用貧乏と多才を勘違いしてはいけませんネ。
▼酒井とし夫新刊「心理マーケティング100の法則」
米国NLP協会認定ビジネスコーチ 酒井とし夫
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